2023.07.09
【転職相談録】上司のハラスメントに悩むAさんへのアドバイス
リージョナルキャリア岡山のコンサルタント、瀬川です。
上司の「モラハラ」や「パワハラ」を理由に転職をお考えの方は少なくありません。先日もそれが理由で転職を検討しているというメーカーにお勤めのAさんからご相談がありました。
一通りお話をお伺いし、Aさんが上司である部長に対して抱いている不満は大きくはこの2点。
・部長は社長の顔色を窺ってばかり。自分の評価を気にするばかりでメンバーのことを考えていない(マネジメントが機能していない)。
・「言っていること」と「やっていること」が違う。
身勝手で自己中心的な印象ですよね。
その部長のこれまでの問題行動を挙げればキリがないのですが、中でも、こんなエピソードがありました。
月50~60時間の時間外労働が常態化していることを問題と感じた社長が月の残業時間を30時間以内にすることを決定。それ自体は悪いことではありませんが、問題はその後の部長の対応です。
「月の残業時間を30時間以内にすることに決めたので各自絶対に守るように。超えた場合は始末書を書いてもらうぞ」「はいはい、もう定時は過ぎてるぞ。みんな帰った帰った」と--。
残業時間を減らすには、仕事量を減らすか生産性を上げるしかありません。しかし、ここ数か月の間にベテランも含め4名の退職者が出ており、部員の業務負荷が高くなっている状態。
部員側に仕事量を減らせる権限などありませんし、生産性を上げると言っても、各自に丸投げでそれが実現するはずもありません。
そんな中でAさんは若手を守ろうと取り組んでこられたようですが、この出来事が転職を具体的に考える大きなきっかけになったとのことでした。
社長は部長のそのような行いや、部員が部長を信頼していないことを把握しておらず、「そんな人を部長に据えている」社長に対しても不信感が募るようになっているというAさん。
とは言え、Aさんは現職の仕事自体にはやりがいを感じており、同僚との仲間意識も強いことから、心から転職したいと思っているわけではなく、まだ迷いがある、という印象を受けました。
そのため、本当に社長が認識をしていないのであれば、まずは認識してもらうなど、まだやりようがあるのではないかとお伝えしました。
Aさんも「少し感情的になっていたので、もう一度冷静になってやれることがないか考えてみます」とのことで、少しすっきりしたような表情で退室されました。
このケースのように、すぐに解決しないにしても何かしらの希望があるのであれば、無理に転職を一番に考える必要はないと思います。
「人的資本経営」「人的資本投資」の重要性が叫ばれ、様々な企業で取り組みが進む昨今ですが、そもそも論として、身勝手で自己中心的な人が管理職に居座るような組織では、おそらくどんな打ち手もうまくいかないでしょう。
フェアに評価することであったり、健全な組織風土を作り上げていくということが非常に重要だと感じます。このあたりも、また別の機会に整理してみたいと思います。