2022.10.21
再注目を集める木造建築。隈研吾氏監修の「岡山大学共育共創コモンズ」がまもなく完成へ
リージョナルキャリア岡山のコンサルタント、瀬川です。朝晩の冷え込みが身に沁みる季節になってきましたね。
先日、長女が小学校から帰るや否や、ランドセルを玄関に放り投げて「イモ掘ってくるー」と出て行き、友達の家の畑でサツマイモを掘って帰ってきました。
せっかくなので、この週末は焚き火をして子どもたちと焼き芋作りでもしようかなぁ~と思っております。
さて、焚き火と言えば「薪」が必要となりますが、ここ数年、薪の価格がじりじりと値上がりしているようです。
その理由としては、空前のキャンプブームや根強い薪ストーブ需要、ピザを焼く薪窯向け需要などで薪の消費量が増え続けていること、また、これまでは薪として利用されていた木材がバイオマス発電の燃料となる木材チップ用に流れていること、などがあるようです。
生産量を増やせば価格は安定するでしょうが、ずっと言われているように林業は高齢化が進み、担い手・生産者が減り続けていますからね。
国土の約3分の2を森林が占める世界有数の森林国でありながら、担い手・生産者が減り続けているだなんて、ビジネスとして成り立ちにくい構造的な問題があるのでしょうが、非常にもったいないと感じてしまいます。
ただ、最近では円安や輸入木材の価格高騰(ウッドショック)、脱炭素やSDGsへの関心の高まり、木材の新たな利用方法の広がりなどを背景に、国産材の利用を増やしていく動きが強まっているようです。日本の林業も大きく変革していくのかもしれませんね。
その「木材利用と広がり」で言うと、岡山県真庭市に本社を置くCLT(※)製造大手、国内シェア4割超を誇る銘建工業株式会社がその中心にいると言っても過言ではありません。
(出典:銘建工業HP)
(※)CLT・・・Cross Laminated Timber(直交集成板)
https://clta.jp/clt/
これまで木材の利用と言えば戸建て住宅が主でしたが、最近では、CLT(直交集成板)やLVL(単板積層材)を使用した「木材を使った高層ビル」の建設プロジェクトが次々と動き出しています。
例えば、大林組が設計・施工を行い、今年の3月に完成した日本初の高層純木造耐火建築物『Port Plus(大林組の研修施設)』。
「温室効果ガスが~」とか「日本の林業を~」とか、それはとても大事なことなのですが、それ以前に、ただただ建築物の美しさに感動しちゃいますし、「木のぬくもり」なんてよく言いますが、まさに木が持つ不思議な魅力に引き込まれちゃいますね。
ここ岡山においても、岡山大学にて木造校舎『共育共創コモンズ』が間もなく完成します(2022年12月完成予定)。
こちらは、2021年4月に同校に新工学部が誕生したことを記念するもので、岡山大学の特別招聘教授である隈研吾氏が監修しています。
(出典:岡山大学共育共創コモンズHP)
これまた、魅力的な建築物ですね。こんな環境で学べるなんて、羨ましいです。
今後ますます国産材をふんだんに使用した建築物が増えていってほしいですし、それによって日本の林業が活性化して、儲かる産業になってほしいなと切に願う今日この頃です。