地域情報ブログ

転職ノウハウ2022.04.28

民間企業から公務員に転身。"やっぱりもう一度民間へ"を阻むハードルにご用心

リージョナルキャリア岡山のコンサルタント、瀬川です。この仕事(キャリアコンサルティング)をしていると様々な業種・職種の方から転職についてご相談を頂くのですが、その中で時々いらっしゃるのが公務員の方です。

学卒で公務員になった"一筋"の方もいらっしゃいますが、どちらかと言うと、民間企業から公務員へ転職して数年が経過した方からのご相談が多いように思います。つい最近もそういった方からご相談を頂き、転職の支援をさせて頂きました。

大手メーカーから公務員に転職したAさん

Aさんは大学院を修了後、上場大手メーカーに就職。経理として国内・海外子会社の決算や財務分析に関する業務を約5年経験した後に、Uターン転職先として公務員を選択されました。

Aさんは「経理としてさらに経験を積みたい」という希望を持っていましたが、以下のような理由から公務員になることを決断されます。

・転職活動を行ったタイミングで希望にマッチする企業/求人を見つけることができなかったこと
・その中で、ちょうど公務員募集があったこと
・「安定性」を重視した家族から強く勧められたこと
・Aさん自身もその点には惹かれるところがあったこと

再び民間企業に戻りたい

そして公務員として経験を積んでいたAさんですが、丸3年が経った頃、再び転職活動を始めるに至ります。「民間企業に戻りたい」と口を開いたAさんは、さらに次のように続けました。

「民間企業と比較した場合に雇用の安定性はあるのかもしれないが、専門性が高まっているという成長実感が得られず、ヤリガイを感じにくい。ジョブローテーションもあり、それまでの経験がリセットされたり、まったく別の職務を担うこともある。自分自身で将来のキャリアを描くことが難しく、自分の将来を"組織に委ねている"ようで不安を感じる」と---

Aさんには、公務員という働き方が合っていなかったのです。

※断っておきますが、私は公務員の仕事を否定するつもりはありません。公務員の方々がいらっしゃるおかげで様々な行政サービスが提供されているわけですし、何を隠そう、私の父も公務員でした(もう定年退職していますが)。しかも民間企業からの転職組です。

公務員から民間企業への"出戻り"は容易ではない

そしてAさんを支援させて頂くことになり、最終的にAさんは民間企業への転職を決められました。Aさんの転職決定には複数の要素があるのですが、その中でも大きいポイントは以下の3点です。

①前職において専門性の高い経験と実績があること
②民間企業に戻ることを見据え自己研鑽していたこと(公認会計士の勉強)
③公務員としての勤務期間がまだ長くないこと(とは言え、3年以上となると難易度が上がる印象です)

中でも、③はとても重要なポイントで、民間企業での実務から5年も離れてしまいますと、①②があったとしても転職は容易ではありません。

先日、『氷河期世代採用 倍率76.2倍 岡山市 6人程度枠に457人応募』という記事を目にしましたが、「安定してそうだから」「転勤がないから」といったことだけでなく、働く上で自分にとって大事なことや譲れないこと、価値観としっかり向き合ってキャリアの選択をして頂きたいなと思います。

この記事を書いた人

チーフコンサルタント 
瀬川 泰明

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