2021.07.29
海運市況回復が後押し。岡山の造船・船舶業界にも明るい兆し
造船業が盛んな岡山を担当する私としてはとても興味深く読んだのですが、その内容をざっと紹介すると、
国から莫大な公的支援を受け、低価格攻勢(赤字受注)に打って出る中韓勢との競争で苦しい状況が続いている日本の造船業。そんな中、業界最大手である今治造船の手持ち工事量が適正水準とされる2年分を超えて2.5年分まで積みあがっているというのです。
その背景には、巣ごもり需要の増加に伴って海運市況が改善し、業績好調な海運企業から新造船の発注が活発化しているとのこと。また、世界的に厳しくなる環境規制や脱炭素化の流れで、環境に優しい新造船の需要が増しているようです。
ルールが変わることによってビジネスチャンスが生まれるということですね。特に環境規制強化の潮流をチャンスと捉え、それに向けた投資を行う企業は注目です。
また、船の関係で言えば、今年3月に、船舶用プロペラの大手メーカーであるナカシマプロペラ(岡山市東区)が、ドイツの大手船舶用機器メーカー・ベッカーマリンシステムズを買収というリリースもありました。
ベッカーマリンシステムズ社は船舶用省エネ装置で世界トップクラスのシェアを持っており、ナカシマプロペラ社の主力のプロペラを含め、船舶の推進力や燃費を左右する船尾周辺設備の一貫製造で相乗効果を発揮する狙いがあるようです。
ナカシマプロペラ社は今年2月には社長も代替わりしましたし、非常に勢いを感じる1社ですね。