多様な機能を有するグループ9社の新体制が生み出す新たなソリューション。
株式会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ
代表取締役専務 寺坂 幸治
2003年 日生支店 支店長
2005年 府中支店 支店長
2009年 融資部 部長
2012年 融資部 理事部長
2013年 四国地区本部 取締役地区本部長
2015年 本店営業部 取締役本店営業部長
2017年 常務取締役
2019年 代表取締役専務
2022年 持株会社ちゅうぎんフィナンシャルグループ 代表取締役専務(兼務)
※所属や役職、記事内の内容は取材時点のものです。
金融を中心とした総合サービス業への進化。
2022年10月3日に中国銀行を傘下に置く持株会社「ちゅうぎんフィナンシャルグループ(FG)」が発足しました。
この新たな持株会社体制では、FGの下に中国銀行の他、今年新たに設立をしたコンサルティング会社(株式会社Cキューブ・コンサルティング)、投資会社(株式会社ちゅうぎんキャピタルパートナーズ)、人材紹介会社(株式会社ちゅうぎんヒューマンイノベーションズ)を含む9社が並んでいます。
融資や預金、為替という旧来からの3大業務が銀行業務だと思っている人が多いと思いますが、実はこのように銀行の事業・業務領域はかなり広がってきています。
「フィンテック企業などの銀行業務への参入などもあり、旧来の業務だけをやっていると銀行は無くなる可能性がある」と、よく言われるように、確かにそういった危機感はあります。しかしそれ以上に、これまでは厳しい基準があって難しかったことが規制緩和によってできるようになってきました。
それにより、これまでは応えられなかったお客さまの様々な課題やニーズと向き合い、解決に向けた最適なソリューションを提供できるのです。こんなにワクワクすることはないですよね。なんて面白い時代が来たんだろう、と思うんです。私たちの時代はそうではなかったので、今の若い人たちが本当に羨ましいですよ。
経験者採用を積極化。化学反応に期待。
銀行の事業・業務領域が広がってきているので、必然的に銀行以外で経験を積んだ方、経験者採用を強化してきています。弊行としてもそれを積極的にアピールし始めたこともあって、最近ではとても多くの方々からご応募をいただくようになりました。
今年は年間で30人近く経験者を採用しています。新卒採用がだいたい100人くらいですから、相当数の経験者を採用しているということになります。
これだけ変化している時代においては、分野を限らずに幅広く、その分野に長けた、またはその経験を次のステップで活かしたい、と思っているような方を採用したいと思っていますし、「自分のキャリアアップのために銀行を利用しよう」というくらいの野心があっても良いと思っているんです。
銀行以外で経験を積んだ方と銀行業務経験者の間で化学反応を起こして新たな挑戦をしてほしいと思っていまして、「これからは今までとは違ったタイプの銀行員が育ってくるのではないか」というふうに期待しています。
中国銀行には失敗を恐れない挑戦を応援する文化がある。
入社から半年のタイミングで実施している面談でも、思っていたほど違和感がなかったと言う方がほとんどです。受け入れる部署のトップや周囲もその点については配慮しているようですし、一人ポツンと孤立するようなことはないですから、銀行のカルチャーは「石橋を叩いても渡らない」などといまだに言われていますが、それはなくなっていると感じます。
今回の持株会社体制への移行にともない、ちゅうぎんフィナンシャルグループのブランドムービーを制作しまして、その中に「この挑戦が、未来となる。」というグループスローガンがあるんです。
私はこのスローガンがとても好きなんです。挑戦をすれば失敗はつきものですよね。ブランドムービーの中には「失敗することもあるでしょう 迷い苦しむこともあるでしょう」という言葉もあって、これを見た当局の方が「銀行が“失敗することもある”なんてメッセージを出すのは珍しいですね」と驚いておられました。
でもこの言葉は実際に行員にヒアリングをしてまとめたものです。中国銀行には失敗を許す文化・カルチャーがある、と。そういう会社としてあり続けたいですし、あるべきだと思っているんです。
実績を評価できる給与体系「専門コース」。
そこで2021年に人事制度改革を行い「専門コース」というのを作りました。実績と能力を持っている方には給与体系としては違った形で、専門職として、自由度が高まった仕組みにしています。
ただ、従来からいる行員やゼネラリストとして努力してきている人と差が出てしまい、不公平ではないかという意見や、運用していくなかでの課題もあります。それは良いかたちに変えていかないといけない。ただ、「どこまで皆が許容するか」という問題はありますが、それだけの実績があるわけですから、そこは割り切って、ちゃんと評価ができる給与体系にしないといけないと思って取り組んでいます。
なりたい姿を見据えてチャレンジしてほしい。
以前ある企業のトップが「45歳定年制」を提案したとき、当初は激しいバッシングがありましたが、一理あると思うんです。これまでのスキルのなかでも必要なもの、不必要なものを考えて、足らないものはリスキリングで自分に加えていかないと、この先10~20年どう生きていくんだ、ということですよね。
例えば、今、上にいる人間はデジタルの知識がないのに、Z世代の若い人たちは簡単に理解できるわけです。そういう新しい感覚を上司が理解できなければ会社として絶対伸びるわけがないので、それを少なくとも許容してやらせてみる、というふうにならないといけない。そのためには上司も知識を持たないと、それがわからないですよね。わかってなかったら、下の世代のことは理解できないですから。
企業も個人もバックキャスト(未来思考)という姿勢を大切に、なりたい姿をまず見据えて、そのために何をすべきかを考え、足りないものは補っていく。ひとつひとつチャレンジをしていってほしい。そのためのサポートは全力でしますし、必ず居場所やチャンスがあるということを、中国銀行またはちゅうぎんフィナンシャルグループを目指してくださる方だけでなく、今頑張っている皆さんにも伝えたいですね。