2021.12.10
仕事復帰を目指す育児中の女性に、ある転職コンサルタントが放った衝撃の一言
『子どもが1歳になり、仕事復帰のために某エージェントに登録して企業を紹介してもらいました。一次面接を受けることになったのですが、そのエージェントのコンサルタントからは「子どもがいることは言わないほうがいい」と言われたのですが、そういうものですか?』と・・・。
私は思わず耳を疑いました。というのも、この女性、約2年前に前職を退職し東京から地元に戻り出産、そして1年が経ち今に至るわけです。当然、履歴書にはブランク期間があり、面接でもこの期間について質問されるはずです。子どもがいることを伏せ、どう答えれば良いというのでしょうか・・・。しかも、そのあたりのアドバイスは一切無かったといいますから、驚きを通り越して呆れてしまいます。
入社後に苦しい思いをしないために
おそらくそのコンサルタントの意図としては、「小さい子どもがいると残業が難しかったり、急遽早退したり休まないといけないこともあるだろうから、面接でネガティブな印象を与えてしまうかもしれない」ということを懸念しての発言だったのでしょう。
確かに、出産や育児期間を経て仕事復帰される際に、企業からネガティブな反応を受けることがあるのは事実です。都市部の上場企業や外資系企業などにお勤めの方は「いまだにそんな会社があるの!?」と思われるかもしれませんが、実際のところ、地方にはまだまだそういった会社が多くあります(早くそんな会社は無くなってほしいものです)。
しかし、そういった実態があったとしても、某コンサルタントが言ったような受け答えをするべきではありません。
通常、一次面接では配属予定部門の課長~部長級の方が面接官となるケースが多く、実務的なことや部門の状況、働き方がどうなっているのかをリアルに把握している方々です。だからこそ、子どもがいることを"当たり前に"伝えるべきです。そこでもし仮にネガティブな反応をされたとすれば、その会社では仕事と育児を両立することは難しいということです。
事実を伏せて面接をクリアし、仮に内定・入社に至ったとしても、入社後に苦しい思いをするだけです。さらには、勤務継続が難しくなり、早期離職、また転職活動をしないといけない・・・なんてことになったら目も当てられません。。。
内定を得ることはゴールではなく、通過点
今回のように仕事と両立というテーマ以外でも、"ネガティブな印象を与えかねないから"という理由で、事実を伏せるのはタブーです。伝え方には気を付けないといけませんが、転職によって自分が手に入れたいもの・実現したいことが何であるかをオープンにして、それを受け入れてくれる企業に入社しなければ、後々ギャップが大きくなるだけです。採用内定を得ることは、決してゴールではなく、通過点に過ぎません。
「そんなの綺麗事だ」と仰る方もいらっしゃるかもしれません。でも、私は"転職が決まればそれで終わり"とは思っていませんし、関わらせて頂いた方が仕事もプライベートも充実して頑張っている、それを目標にこの仕事をしています。今回のご相談で、あらためて自分が大切にしていることを再認識する機会となりました。