株式会社ニッカリ
品川史裕さん(仮名・製品設計) 42歳
父のためUターンを決意。機械設計の経験を活かし、産業用モノレール開発に携わる。
品川さんは約12年間、設計専門会社に勤務。エンジニアとしてさまざまな分野の設計を手掛けてきた。31歳のときに、家族を連れて北九州に赴任。新しい土地での生活にも慣れてきたころ、地元・岡山で暮らしていた母が他界。一人暮らしとなってしまった父を「一人にはしておけない」と品川さんは岡山へのUターンを決意したという。
現在は実家で父、妻、子ども2人と健やかに暮らし、仕事も充実しているという品川さんに、転職後の日常について伺った。
※本記事の内容は、2018年5月取材時点の情報に基づき構成しています。
- 過去の
転職回数 - 2回
- 活動期間
- エントリーから内定まで61日間
転職前
- 業種
- 技術者派遣
- 職種
- 製品設計
- 業務内容
- 3DCADを使用し製品検討を行い、評価、デザインレビュー、許認可申請、パテント取得、カタログ作成など
転職後
- 業種
- メーカー(農機具製造)
- 職種
- 製品設計
- 業務内容
- 急傾斜地用モノレールの開発業務。量産製品、特注製品の企画から量産(特注製品は、お引渡し)まで。
母の他界後、気力をなくした父を実家に一人残しておけなかった。
現在のお仕事はどんな内容ですか?
産業用モノレールの開発業務を手掛けています。産業用モノレールと言うと、山林で農産物や木材を運搬するのに使われているものをイメージする人が多いかもしれませんが、活用先は多方面に広がっています。私が担当するモノレールは、道路や宅地造成地の急傾斜地で、建築資材やコンクリートなどの運搬に使われています。
一人のエンジニアが、新製品の企画・開発から設計・試作まで、また特注品であれば最終的な納品まで関わることもあります。
製品によっては2~3年の開発期間が必要になることも珍しくありません。
入社前のご経歴を教えてください。
大学で建築設計を専攻し、卒業後は地元の工務店に就職しました。入社前は設計に配属と聞いていたのですが、実際は営業でした。1年間勤務しましたが、やはり設計に携わりたいという思いが強かったため、設計専門会社に転職しました。
転職後は取引先企業に直接赴いて、取引先の業種に応じた多彩な機械設計を担当しました。最初の6年は岡山の重機械メーカーに常駐、その後、北九州の住宅設備メーカーの担当となり、家族を連れて移住することに。そこで約6年間勤務していました。
転職のきっかけは?
岡山の実家に暮らす母が他界し、一人残された父も体調を崩しがちになったことがきっかけです。『父を一人にはできない』と思い、岡山にUターンすることを決めました。
転職活動はどのように進めましたか?
設計職であること、岡山勤務であること、この2つを条件に、転職サイトに登録しました。その後、リージョナルキャリア岡山から連絡があり、担当コンサルタントから早い段階でニッカリの紹介を受けました。
当時は北九州に住んでいたので、そう頻繁に岡山へ行くことはできませんでした。コンサルタントとは岡山で一度面談をしてもらい、後は基本的にはメールと電話で情報提供していただきました。ネットでは見つからない詳細な情報を提供してもらい、ずいぶん助かりました。最終的には、活動開始から2ヶ月足らずで転職できました。
今の会社に決めたポイントは?
前職での経験やスキルを、産業用モノレールや農業機械の分野に応用できると思ったからです。また、面接の時に「仕事のやり方は個人に任せている」という説明があり、ストレスなく仕事ができそうな環境だな、と感じたこともこの会社を選んだ理由のひとつです。
新たなチャレンジのできる仕事に満足。同居で父も活気を取り戻す。
転職していかがですか?
社内の風通しがよく、キャリアに関係なく提案が受け入れられる懐の深さがあります。私が携わっている産業用モノレールはまだまだ歴史が浅く、エンジニアの工夫次第で可能性が広がる分野です。チャレンジを後押ししてくれるこの社風はとてもやりやすく、やりがいを感じています。
また、ニッカリでは多くの転職者が活躍しており、そのおかげで私もすぐに職場に溶け込むことができました。中途入社のハンデもまったく感じません。2年前からは課長として、メンバーのマネジメントも任されています。
最初は「自分に務まるかな」と不安もありましたが、職場の方々や家族の応援もあって、ここまでやってこられました。人に恵まれているな、とつくづく思います。
生活面の変化はありましたか?
現在は家族で実家に戻り、父と一緒に5人で生活しています。もともと『父を支えたい』という思いから転職を決めたので、そばで見守ることができて安心しています。
父も、孫たちと暮らすことで日々の生活に張り合いが生まれたようで、すっかり元気になりました。子どもが成長して実家も手狭になってきたので、そろそろリフォームが必要かもしれません。
転職を考えている人にアドバイスをお願いします。
事前に転職先についての情報を集めることも大事ですが、結局は飛び込んでみないと職場の実態はわからないものです。行動せずにあれこれ悩むより、思い切って一歩踏み出したほうが、後悔が少ないのではないかと思います。