転職成功者インタビュー

株式会社林原
藤本美晴さん(仮名・購買) 34歳

「地方での暮らし」と「ものづくり」。譲れないものを再確認し、理想の環境と巡り合う。

中国出身で15歳の時に日本へ移住し、学生時代を東京で過ごした藤本さん。大手電機メーカーに就職後、配属された愛知県で過ごすうちに「自然豊かな地方で暮らしたい」という想いが芽生えてきたという。

その後、岡山の異業種の企業に転職したものの、やはりものづくりに携わりたいという気持ちが強くなっていく。そして二度目の転職活動で出会ったのは、グローバルに展開する医薬品・食品原料メーカー、林原だった。

「自分の価値観やどんなことを大事にしたいか」を見極めることで、「ワクワクできる環境と出会えた」という藤本さんの転職体験談を紹介しよう。

※本記事の内容は、2021年11月取材時点の情報に基づき構成しています。

過去の
転職回数
1回
活動期間
エントリーから内定まで74日間

転職前

業種
サービス業
職種
海外・国内大口団体セールス担当
業務内容
地域毎の海外・国内の団体受注方針の策定。既存顧客へのセールス活動。受注済の団体のニーズを調査、オプションサービスの提案。成約後の各種手配及び社内調整から、見積書、契約書、請求書の発行などの事務手続きなど。

転職後

業種
購買
職種
メーカー(医薬品、食品原料)
業務内容
原料の調達業務。工場で算出された生産計画および原料調達計画に基づいて複数の調達先から原料の購入。

自然豊かな地方暮らしに思いを馳せる日々。キャリア研修で譲れない想いを確信。

現在のお仕事はどんな内容ですか?

食品や医薬品・化粧品の原料、機能性色素などを手掛ける株式会社林原の生産企画部資材購買課に所属しています。林原の製品は主な原材料であるデンプンと自社独自の酵素によって生み出されていますが、そのデンプンの調達というのが現在の私の仕事です。

林原の製品は主に岡山にある3工場で生産されており、それぞれの工場で算出された生産計画や原料調達計画に基づいて複数の調達先から原料の購入をしています。また、中期経営計画では海外販売量を増加させる計画を立てていますので、資材購買課としても海外からの資材調達力を強化しているところです。

入社前のご経歴を教えてください。

生まれが中国で、15歳の時に日本へ移住しました。当時は日本語がまったく話せなかったので、1年間ほど日本語学校に通い、その後、都内の高校・大学へ進学。大学を卒業後、新卒で大手電機メーカーに就職しました。

そこでは年度重点施策の実行担当として、国内外拠点を横断するコストダウン活動に携わっていました。

それから岡山に移住し、サービス業の企業に転職。その企業は主に外国人旅行者をターゲットとした宿泊施設を運営していました。

メーカーでの最後の1年間は間接業務の効率化や生産現場のオートメーション化など、人がやっている仕事を自動化し製造原価を下げるという業務に携わっていたのですが、その結果として、関係性が良く協力的な現場の人たちが退職していくこともありました。

そんな現実を前に虚しさを感じることも多々ありましたし、「人だからこそできること」という点に思うところがあり、サービス業への転職を決めました。

岡山への移住のきっかけは?

最初に入ったメーカーの初任勤務地が愛知県の豊川市であったということがきっかけになっています。というのも、中国から日本に移り住んだ時は、日本の何もかもが進んでいるように感じ、刺激ある東京での生活に満足していました。しかし、豊川市で2年間ほど生活をする中で「東京ではなく自然豊かな地方の方が暮らしやすいのではないか」と思うようになったんです。

実際、出張で東京に戻ると人の多さにストレスを感じている自分がいました。上司には「もう少しこっちでやらせてください」とお願いしていたぐらいです(笑)。

ただ、それは叶わず結局東京に戻ることに。そこでは責任のある仕事を任せてもらえていたのですが、自然豊かな地方での暮らしに思いを馳せる毎日でした。

社内結婚をした夫も私と同じように地方での暮らしに憧れを持っており、長期休暇には地方へ旅行し「いつかこんなところで暮らしたいね」と言っていました。

そんな「いつか」が「今」に変わったのは、30歳の時に会社で受けたキャリアデザイン研修がきっかけです。2日間をかけて自分たちの老後のことも含めてキャリアや生き方を考える研修なのですが、その研修で自分たちにとって地方で暮らしていくことが譲れないものであり、必ず実現したいことだとより強く認識したんです。

「仕事がないだろう」という先入観からなかなか行動に移せていませんでしたが、この研修を受けて、「地方にやりたい仕事があるのなら、今すぐ行動したほうがいいのではないか」と思うようになりました。そして実際に行動した結果、前職との出会いがあり、岡山への移住を実現しました。

転職のきっかけは?

何かきっかけがあったというよりは、1年間勤務してきて新しい環境でやりがいを感じつつも、モノづくりの世界に戻りたいという気持ちが徐々に強くなっていった、ということです。

前職は宿泊施設のコンセプトやパッケージがほぼ完成されており、それは素晴らしいことなのですが、一方で受け身に近いところもあり、少しずつ物足りなさを感じるようになりました。

1社目のメーカー勤務の時にはそれほど意識することがなかったのですが、私は技術的なことや法的なこと、世界のルールや枠組みなどの専門的なことを学ぶのが好きです。もちろんそれを仕事に活かしていくことが重要ですが、好奇心というのか、一つのことを学ぶとそこからまたその先のことを知りたくなって、さらに学んで、詳しくなれることがとても嬉しいのです。

例えば今の職場でもデンプンの購入に携わっていますが、デンプンと林原独自の酵素がどのような製造技術により製品になるのか、輸出入に直結する関税制度の中身や今後の枠組みがどうなっていきそうなのか、今世界的なコンテナ不足によって海上運賃が高騰していますが、なぜそんなことになっているのか、など、とにかく知りたいことが山ほどあります(笑)。

モノづくりの世界、特に独自の技術を持って海外展開もしている現職では、広範囲に学ぶべきことがあり本当に充実感があります。また、親会社である長瀬産業が実施する勉強会の動画も視聴できるようになっており、先日も「ブロックチェーン技術を使ったドキュメント共有」の勉強会動画を視聴したところです。

転職活動はどのように進めましたか?

前職への転職活動では企業に直接コンタクトを取りましたが、今回はプロの人に相談しながら力を借りて進めた方が良いと考えていました。そこで転職支援会社の情報を調べた中でリージョナルキャリアに相談しようと決めました。

ただ、決めてから実際に相談をしたのはそれから1年後のことです。その間、調達プロフェッショナル認定資格の勉強をしていました。それは2つの思いからです。

1つは、一度はメーカー勤務の経験があるものの、そこを離れてまったく異なる業界に身を置いているため、自分の経験をアピールしても弱いのではないかと考えたこと。経験や本気度を少しでもアピールできるように資格を取ろうと考えました。

そしてもう1つは、転職についての感情が本物なのか自分自身でも確かめたいと思ったこと。再びモノづくりの世界に戻りたいという気持ちでいるものの、それが一時の感情ではないことを自分自身でも確信したかったんです。

調達プロフェッショナル認定資格は専門的な内容で簡単ではありませんので、一時の感情であれば続きませんが、勉強をする中で面白いと思えて、1年間頑張れました。その結果、無事に資格を取得できたので、直後にリージョナルキャリアに相談させてもらいました。

学ぶことが多く、チャレンジングな環境。学びの環境や仕組みも充実。

今の会社に決めたポイントは?

海外での販売量を増やしていくという計画を打ち出しており、そうしたグローバル化の方向性にとても魅力を感じました。

また先程も申し上げましたが、独自の技術でモノづくりをしており、知りたいこと・理解したいことが膨大にありますし、知れば知るほど魅力のある会社だと感じます。

こんなに技術力もあって魅力的な会社であるにもかかわらず、現状は国内が中心の事業展開となっているため、今後、海外を開拓していく意味においてよりチャレンジできるチャンスがありそうだと感じました。

転職していかがですか?

学ぶことがたくさんあることと、学べる環境や学ぶための仕組みが整っていることがとても嬉しいです。また職場には、気さくでおおらかな人が多いです。部長と課長もとてもフラットに接してくれますし、違う部署の方も明るく元気に挨拶や声をかけてくれます。

つい先日、食堂で昼食をとっていたら近くの席に生産部門長が座り、声を掛けてくれました。今は黙食となっているのでお喋りはできませんが、気にかけてくれていることが嬉しかったです。

それと、林原は食品や医薬品関係の製品を作っているということもあって、職場が本当にキレイで整っています。皆、次に使う人のことを考えて行動しています。会議室のテーブルはキレイに拭いて除菌されていますし、手洗い場にも水滴が散っていません。会社のことを愛し、誇りを持って働いている人が多いと思います。

困っていることや課題はありますか?

まずは、経験や知識を活かして目下の仕事をしっかりと任せてもらえるように頑張りたいです。少し先で全体の流れがわかった上で、転職して違う会社からきた者として別の視点で改善提案などができたらなと思います。

また、10年~15年後を見据え、海外マーケティングや海外駐在などが経験できる海外事業推進部や社長直下の経営デザイン室での経験など、チャンスを掴めるように頑張っていきたいと思います。

転職を考えている人にアドバイスをお願いします。

私は転職について考える時に、自分の価値観やどんなことを大事にしたいか、どんな時に楽しかったか、ワクワクしたかなど長い時間をかけてじっくり夫と話し合いました。

そういう意味では、一人だと行き詰まってしまうことでも、家族や友人に話を聞いてもらい、洗い出していくのが良いのではと思います。

求人だけを見て、条件が良さそうなところをやみくもにピックアップするのではなく、まずは自分自身を知るということが大切だと今回の転職活動を通して感じました。

担当コンサルタントから

チーフコンサルタント 
瀬川 泰明

藤本さんはとにかく好奇心旺盛。「知りたい」と思うことに出会うとワクワクが止まらず、心の赴くままに行動する。まるで子どものような無垢な気持ちを持った方です。

そして「努力は夢中に勝てない」という言葉も上回ってしまうほどに、とんでもない努力をされる藤本さんの行動力と徹底度には、ただ驚くばかりです。きっと林原社でもチャンスを掴み、必要不可欠な存在になられることとと思います。

実は前回のインタビューにご登場いただいた藤本裕也さんはご主人で、本当に素敵なご夫婦だなと感じますし、お二人の転職をサポートでき、私自身も本当に刺激をいただきました。

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